結論、nomad sculptの方が機能が多彩でUIも使いやすくお勧めです
こちらはnomad sculptで体を作り、Blenderで色付け、レンダリングしたキャラクターです。
1. はじめに
前回、noamd sculptの使い方・機能を紹介しました。
iPad用のスカルプトアプリとして、forgerとnomadsculptという2つの有名アプリがありますが、どちらが良いか迷っている人もいるかと思います。
両方買ってしばらく使ってみた感想としては、nomadsculptの方が個人的におすすめです。簡単にいってしまえばnomadsculptは簡易zbrushみたいな感じです。
今回は、forgerでどんな不満があったのか、それに比べてnomad sculptはどう良くなったかを紹介します。
2. nomad sculptをお勧めする理由
2.1 スカルプトの基本機能は両アプリとも差はなし
まずスカルプトの基本機能ですが、両アプリとも差はありません。どちらのアプリにも、ドロー、クレイ、スムース、グラブ(Moove)、ピンチ、マスクなど必要なブラシは全て揃っています。また両アプリともApple pencileの筆圧感知にも対応しているので、筆圧でブラシの範囲や強弱を調整することができます。なので両アプリとも
2.2 マテリアルが豊富
スカルプトをする際にマテリアルは非常に重要です。上手くスカルプトできたと思ったのに、色を付けてみたらイメージと違ったということが多々あります。特に人型キャラクターの顔はちょっとした色の変化で雰囲気が大きく変わってしまうので、スカルプト初期段階から綺麗なマテリアルを設定できると最終結果がイメージしやすく作業がはかどります。
forgerはこんな感じで粘土みたいなマテリアルしか設定できません。
一方、nomad sculptは以下のようにHDRIを利用したPBR(物理ベースレンダリング)という綺麗なマテリアルを利用できます。もちろん粘土っぽいマテリアルも用意されているし、光沢や透過なども設定できるので金属やグラスも作れて、下手したらblenderと遜色ないくらい完成度をあげることができます。
実際、Twitterを見てもnomadsculptだけで作品を作ってる人がいます。forgerの時はモデルの下書きのみforgerで行い、blenderに持っていってマテリアルを設定したらちょっと雰囲気違うなって思ってスカルプトをやり直すことがありましたが、nomad sculptにしてから綺麗なマテリアルを設定した状態でスカルプトができるので手戻りがなくなりました。
2.3 マスクからソリッドがつくれる
これはnomad suclptにしかない非常に便利な機能です。マスクした後にextractを押すと、マスクした部分をソリッド化させることができる。
例えば以下のように、眉毛と睫毛の位置にマスクを塗ります。そのあと、Extractを押すと、マスクで塗った部分が押し出されてソリッドになります。このようにマスク⇒Extractを使うことで表面の微妙な凸凹や模様を簡単に作ることができます。Blenderを使っている人にとってはシュリンクラップの代用みたいな機能というと分かりやすいかもしれません。
2.4 カーブ機能が使える
Blenderでいうベジェカーブみたいなのが使えます。髪の毛とかをカーブで作ることもできます。これもforgerにはなかった機能です。
2.5 ボクセルリメッシュやダイナミックトポロジーなどで便利なメッシュ機能が多い
forgerではモデル全体を細かくすることしかできないため、メッシュ数が膨大になり動作が遅くなったりアプリが落ちてしまうことがあった。一方、nomadsculptは例えばダイナミックトポロジーのように必要な部分だけ細かくすることができるので、ディテールをこだわりたい口や目はメッシュを細かく、後頭部などの見えない部分はメッシュを粗くするといった方法も可能です。下はボクセルリメッシュでメッシュ数を落としている様子です。
2.6 途中でソフトが落ちたことが一度もない
これが1番嬉しかったことです。forgerはメモリ量を多く消費するためすぐ警告がでてきたり、ソフトが落ちてそれまでの作業が無駄になることが何度かありました。アプリが落ちたら当然ですがそれまで作っていたモデルは消えて2度と復元することはできません、これがすごく嫌でした。一方nomadsculptは動作がすごく安定していて今まで一度もソフトが落ちたことはありません。youtubeやnetflixを見ながら作業していても安定して動作しており非常に安心感があります。
2.7 回転機能で簡単にグラスが作れる
購入してから気付いたのですがLatheという機能を使うとカーブで描いた軌跡を中心軸周りに360°回して円対象なモデルを作ってくれます。例えばグラスがこんな感じで簡単に作れます。
2.8 レイヤー機能
nomadsculptにはレイヤー機能があります。レイヤー機能を使うと元のモデルを崩さずにスカルプトの情報を記録できるので、例えば服の原型を作り、シワはレイヤーで作れば、レイヤーをオンオフするだけで皺の有無を切り替えることもできます。以下は表情をレイヤーで切り替えている様子です。Blenderでいうシェイプキー的な機能です。
2.9 トリム機能が便利
nomad sculptではトリム機能で不要な部分を一気に削除できる。
2.10 色付きで出力できる
nomadsculptは.gltでモデルをエクスポートすることができます。このglTFファイルは色も出力されるので、nomadsculptでペイントしたモデルをそのままblenderにインポートすることができます。
forgerはobjやstlでしかインポートできないため、forgerでペイントしたモデルをblenderに持っていきたい時は、モデルとテクスチャを別々に出力し、blender上で両者を再度紐づける必要があり面倒でしたので、nomadsculptで非常に楽になりました。
3. デメリット
価格が約1800円とfogerより高いです。ただforgerよりも多くのメリットがあるので、値段分の価値は十分にあると思います。。
4. おすすめ
以下の本はお勧めです。
5. 最後に
両ソフトともスカルプトをするのには申し分ないですが、私は特に機能が豊富なnomadsculptをお勧めします。