画像処理ライブラリであるOpenCVを使って、画像の二値化を簡単に行う
1. 誰に向けた記事か
・pythonを勉強している人
・OpenCVに興味がある初心者
・画像の二値化をやりたい人
※初心者向けにpythonの勉強法とその手順を記事にしました。
2. はじめに
前回、OpenCVのインストール方法、OpenCVによる画像の読み込み、画像の白黒化、リサイズ(画像の縮小化)などを行いました。
今回は、OpenCVに標準で搭載されている関数を使って、簡単に画像の二値化を行ってみたいと思います。
二値化とは画像を白と黒の2つの色で表示することです。
画像処理の分野において、物体の境界線の抽出や物体の面積を求める際によく使われます。
3. コードと実行結果
3.1 コード
今回はこのコーヒーカップの画像を二値化させたいと思います。
3.2 自分で閾値を決めて二値化
以下が元画像のヒストグラムです。
130あたりに緩やかなピークがあるので、今回130を閾値に設定しました。
cv2.threshold()の引数は左から順に、二値化したい画像、閾値、閾値を超えた場合いくつにするか、二値化の方法になります。
すると次のような画像が得られます。
うっすらと輪郭は見えますが、あまり綺麗な二値化ではないですね。
3.2 自動で閾値を判断して二値化(大津の二値化)
繰り返しになりますが、以下が元画像のヒストグラムです。
大津の二値化は以下のヒストグラムから自動で閾値を選んでいます。動作原理についてはここでは省略します。
cv2.threshold()の引数は左から順に、二値化したい画像、閾値(自動で選んでくれるため0で固定です)、閾値を超えた場合いくつにするか、二値化の方法になります。
結果は以下になります。
先ほど自分で閾値を決めた場合とあまり変わりませんね。
大津の二値化は、ヒストグラムで見た時に大きな山が二つあるような画像だと上手く二値化してくれるみたいです。今回のような影や光の反射があるような場合だと難しそうです。
3.3 画像を細かく分割し、分割された場所ごとに計算した中央値を閾値として二値化
今回の画像のように影がある場合、adaptiveThreshold()による二値化がお勧めです。
cv2.adaptiveThreshold()の引数は左から順に、二値化したい画像、閾値を超えた場合いくつにするか、二値化の方法、何×何マスで中央値を計算するか、その中央値から値をどれだけ引くかになります。
今回の場合、11なので自身を含めた縦11個×横11個のピクセル群の中で中央値を計算し、その値から3引いた値を二値化の閾値として使用しています。
つまりこれまでは画像全体から選んだ1つの閾値を用いて二値化をしていたのに対し、場所ごとに閾値を変えて二値化をするのが本方法です。
平たくいれば明るい場所では明るい場所に適した閾値を、暗い場所では暗い場所に適した閾値を選んでいることになります。
結果は以下になります。adaptiveThreshold()を使うと先ほどよりコーヒーカップの輪郭がくっきり出ていますね。
引数の最後の数字を3から-5にすると黒っぽい画像になります。
引数の最後の数字が正だと白っぽい画像に、負だと黒っぽい画像になります。
3.4 画像を細かく分割し、分割された場所ごとにガウス分布に沿うよう重みづけされた平均値を閾値として二値化
さきほどは単純な中央値でしたが、ガウス分布に沿うように重みづけされた平均値を使って二値化する方法です。
cv2.adaptiveThreshold()の引数は先ほどと同じように、左から順に、二値化したい画像、閾値を超えた場合いくつにするか、二値化の方法、何×何マスで中央値を計算するか、その中央値から値をどれだけ引くかになります。
こちらもコーヒーカップの輪郭がしっかりと把握できますね。画像の中の明暗が大きい場合はこのようにadaptiveThreshold()を使うのが良さそうです。
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4. 最後に
次回もOpenCVを使って簡単な画像処理を行ってみたいと思います。